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help リーダーに追加 RSS おじいさんの『Art in You』

<<   作成日時 : 2008/02/28 19:50   >>

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花粉症に苦戦しながら、クルマで1時間半
水戸芸術館へ行った。

5/11まで宮島達男さんの『Art in You』展をやっている。
宮島さんの作品には、現代アートをなぞる美術館であれば
必ずといっていいほど出会えるけれど
新作を含めた今回の展覧会は
私の、あふれ出そうだった期待を裏切らなかった。

初めて宮島さんの作品に出会ったときも
数々の作品と出会ってきた今でも
まず最初の、“ぶっ飛ぶ”感が変わらない。
そしてしばらくたつと
作品に対して、自分が‘馴染む’感覚になる。
なんと言い表せばよいのか
まるでプールで潜水をしたときのような
鑑賞後は、嵐の後の静けさのような雰囲気に包まれて
死を想うし、人生を想うし、こどもを想ったり、地球を想う。
宮島作品には、なんとも言いがたい魅力がある。とやっぱり思う。

『Death Clock』という
Macの画面に、知らない人がモノクロ写真で映し出されていて
画面の中央で、刻々とデジタル数字のカウンターが
その人が死ぬまでの残り時間として
カウントダウンされていく作品があった。

そこで声をかけられた。
「あなたはまだまだでしょうね。」と。
入館する際に、前を歩いていたおじいさんだった。
「わたしはもうすぐです。」とほほえんで
「あなたのおじいさんはいくつですか?」と聞かれた。
両方亡くなりましたと伝えると、今度は親の年齢を聞かれた。
見た目ハイクラスであるおじいさんは
90歳を過ぎていたようだ。

思いもよらず、ありえない場所で声をかけられ
どっぷり作品に浸かっていた私は
その時少しパニック状態になっていたと思う。
会話のほとんど覚えておらず
帰りのクルマの中で(今現在も)後悔した。
「あのおじいさんと、お茶でもすればよかった。」

現代アートというよりは
狩野探幽とか、横山大観的雰囲気のおじいさんは
宮島作品に何を想って、どんな景色を回顧したのだろう。
おじいさんのインスピレーションは、どんな形をしていたのだろう。


「『Art in You』
 アート(美)はあなたの中にある
 そう、アートは特別な人のものではなく、
 特別な人のみが理解できるものでもない。
 アートはすべての人が創り得ることができ
 すべての人が理解できるものなのだ。
 アートは人間によって、開かれていく。」     宮島達男


人生の先輩の『Art in You』を聞けるチャンスを逃してしまった。

もし、この文章を読んでくださっている方が
『Art in You』展を鑑賞したら、きっと
私がおじいさんをナンパしたかった気持ちがわかってもらえる。
と信じている。

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